死因贈与契約

 死因贈与契約とは、「甲が死んだら甲の財産の全部を乙にあげる(贈与する)こととし、乙はこれを承諾する。」という契約です。
 財産は、甲の所有する財産の一部でもよく、それは土地や建物のような不動産でも、預金や株式、自動車、宝石などでも構いません。
(メリット)
1 子や兄弟のような相続人がいない人が、いとこなどの近い親戚や親しくつきあってきた人に、自分が死亡したとき、自分の財産を相続と同じように引き継がせることができます。(相続人のいない人の財産は、何もしなければ国の財産となります。)
2 遺言書は、法律で要件が厳しく定められており、家庭裁判所の検認が必要ですが、死因贈与契約は、契約ですから、書式は自由です。内容を全部パソコンで打って、贈与者は、自分の氏名だけ自筆で書くだけで十分です。
 だから、重病のため遺言書を書けない人でも遺言と同じように財産を承継させることができます。
3 死因贈与された財産には、相続税が適用され、贈与税は適用されません。したがって、税金が安くすみます。
(手続き)
 死因贈与契約は、贈与者の意図した結果(法的効力)を得るためには、弁護士に相談して、死因贈与契約書を作成してもらうのがよいでしょう。