1 根拠規定
死因贈与契約は、民法554条に規定されています。
死因贈与は、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する、と定められている。遺贈とは、遺言によって遺産の全部又は一部を無償で、又は負担を付して他人に譲与することを言い、単独行為である点で、契約である贈与と異なります。
2 判例・学説上、遺贈の規定が準用されない主な事項
(1)遺言能力は、15歳以上の者とされているが、通常の行為能力が必要(18歳以上)
(2)方式は、遺言によらないから準用がない。ただし、書面によらない死因贈与は、550条によって撤回しうる。
(3)遺言の効力に関する規定は、ほとんど準用される。
(4)遺言の撤回に関する1022条以下の規定は、死因贈与に準用されない。死因贈与契約は、受贈者の側に期待権を生じる。
(5)死因贈与は、生前贈与の取消と同じ法により取消が認められる。たとえば、条件の成就、負担の不履行、忘恩行為、事情変更が認められる場合等である。
3 死因贈与契約書の添付書類について
死因贈与契約は、贈与者が死亡した時にその効力を生じるので、契約締結時に近い日付の贈与者と受贈者の印鑑登録証明書2~3通取り寄せておく必要があります。
印鑑登録証明書は、両当事者の本人確認書類として必要です。弁護士が執行者の場合は、弁護士会の会員証明書及び弁護士個人の印鑑登録証明書(市区町村発行のもの)も必要となります。